大学改新機構は、日本の高等教育機関における
経営及び教学運営の改革を目指して
設立された非営利組織です。
日本の高等教育は大変動に直面しています。
世界の大学ランキングにおいて日本はトップ校ですら順位の低下が続き、また主要国における学術論文の生産性でも日本全体が低迷していることに鑑みると、日本の高等教育の地盤沈下を感じさせずにはいられません。国内に目を向けても様々な問題があります。大学全入時代における入学生の質の変化や急速なIT化/AI化の進展に伴う職業構造の変化に対して、各大学は現在・未来に求められる人材を社会に送りだす機関としての役割を果たせているでしょうか。
国内全体で様々な改革が、各大学レベルに限らず、認証評価制度や各種補助金など行政レベルも含めて振興されていますが、その実効性はいかがでしょうか。近年、手をこまねいたまま学生を集める魅力を失い、実質的な経営破綻状態に陥る大学が相次いでいます。定員増を伴う改組のラッシュも相次ぎましたが、東京圏では新設抑制の締め付けにつながりました。こうしたことに鑑みると、必要な改革がなされなければ立ち枯れ、表面的な対策は継続しえないように思います。
私はこれまで、国立大学及び私立大学において様々な大学改革を実践し、またFD・SD(スタッフ・ディベロップメント)やコンサルティングを通じ多くの大学と関わりをもってまいりました。その経験から言えることは、小手先ではない実質的な改革を推進し有効な成果を得るには、何よりもポジティブな組織文化の醸成と教職員の質担保─特に職員のプロフェッショナル化を実現し─、大学人による大学人(学生)のための大学改革を進めることが必要であるということです。この成功の考え方やノウハウを各大学の改革に活かすことが、日本の高等教育全体の変革・活性化に寄与するものと考えています。
それを実現する組織として、全国の有志とともに改革のプロフェッショナル集団、大学改新機構を立ち上げました。この大学改新機構のメンバーとともに、全国の様々な大学の改革に汗を流します。
国際化・市場化・ユニバーサル化に対する対応を迫られ、
政策レベルでのFDの義務化・認証評価制度の導入・ガバナンス強化などの動きが矢継ぎ早に進んでいます。
さらに課題に対応できるように、2016年にSDの実施、2017年に教職連携の体制づくり職務の推進などが義務化。
大学教育・経営に関する大学院が増え、関係学協会・団体の人材育成に関する取り組みも見られるようになりましたが、現状では量的・質的にも十分なものとは言えないのが実情です。このように、大変動に立ち向かえる人材の数が限られているばかりでなく、そうした人材が個々の大学に点在しており、その持てる力を十全に発揮できていないのが各大学が直面している課題ではないでしょうか?
このような日本の高等教育の現状に危機感を感じ心から解決を望む有志たちにより、2017年12月25日に当法人設立をするに至りました。
方策の3つのコンセプト
① イノベーションを担うプロフェッショナル集団の結成
② 個人ではなくチームとして大学の現場に赴く
③ 現場で業務・意識を変え、現場の構成員全員が実感を伴う成果をもたらす
本法人は、全国の様々な大学に所属するプロフェッショナル人材の有志を中心としたメンバーを擁しています。現在の困難な状況下で活性化を図ろうとする大学から個別に本法人へ依頼をいただきましたら、その依頼内容に応じて様々なサービスを提供します。
例えば、SDプログラムの提供であれば、クライアント校とご相談のうえプログラムを構築し、講師としてメンバー派遣を行います。学内の活性化や改革支援であれば、クライアント校とご相談のうえメンバー人材でチームを構成し、そのチームがクライアント大学の現場に赴き、現場の意識・業務を変え、実質的な成果をもたらします。